
皆さんこんにちは!
機創技研、更新担当の中西です!
~やりがい~
船舶修理は壊れた箇所を直すだけではありません。安全・確実・短時間で復帰させ、運航計画と荷主約束を守る“海運の血流維持”がミッション。オフハイアを1時間でも削る価値は、世界の物流に直結します。
短時間復旧(TAT最小化):寄港わずか数時間・沖待ち中のライディング修理で“一発仕上げ”。
確実性と再現性:NDT・計測・写真台帳・時刻同期ログで証跡を残す。
安全最優先:タンク・高所・熱作業の**リスク評価(PTW/LOTO)**徹底。
予知保全×部材前出し:振動・温度・油分析のアラートを“3寄港前シグナル”に変換して部材を前出し。
環境・規制対応:塗装・排ガス・バラスト等の改造をEPCM型で一気通貫。
デジタル対応:3Dスキャン→先行製作、遠隔査察、クラウド納品書・電子署名。
グローバル供給網:どの港でも同等品質——標準SOPと共通工具・消耗品のセット化。
コスト最適化:工数・艤装・停泊費の総コストで意思決定(安さより“早く確実”)。
“動き出す瞬間”に立ち会える
再起動→異常なし→復航。数値と音で分かる復帰の手応えは格別。
運航と経済を守る実感
1日のオフハイア短縮=船主・荷主・港湾の損失回避に直結。社会貢献が具体的な数値で返る。
段取りで難題を解く快感
狭小・荒天・時間制約下で、安全×品質×スピードを両立できたときの達成感。
職人技×エンジニアリングの融合
現合の妙、温度管理、溶接WPS、アライメント……手と頭の両輪が磨かれる。
チームの一体感
甲板・機関・ヤード・メーカー。国籍も職種も越えて**“船を動かす”**目標でつながる。
寄港6時間で主機補機オーバーホール
先行3D計測→工場先製作→ライディング乗船。停泊延長ゼロで継続運航。
船底塗装の環境条件“可視化”
温湿度・露点・膜厚を写真+計器値で記録。再塗装クレームゼロに。
予兆アラートを“前出し部材”に変換
軸受温度と振動トレンドから次寄港で交換、故障停止を未然回避。
寄港T-48/T-24/T-8h段取り表
作業・人員・クレーン・タグ・廃棄・許可を時間逆算でブロック化。
ライディング標準BOX
共通工具/消耗品/PPEの定番化で積み忘れゼロ。
写真台帳の3原則
“広域→中域→近接”、計器と同一時刻、後工程が読める矢印・注記。
安全“止める権限”の明文化
誰でもStop Workできるカードを配布、朝礼で再確認。
3寄港前シグナル運用
センサー異常→部材在庫→港手配→通関まで自動チェックリスト化。
オフハイア時間(h/件)/ドック在泊日数
再工事率・同一不具合再発率
安全指標:TRIR、ヒヤリハット報告率(高いほど学習文化)
工程遵守率:クリティカル作業の遅延回数
予兆→未然回避率(アラート件数に対する停止回避)
証跡整合率:船級・荷主査察での指摘件数
CO₂/燃費改善量(改造後の実運航データ)
大切なのは他社比較より、自社のベースラインを上げ続けること。
現場工→班長(安全・工程)→工区長→施工管理→改造EPCM/プロジェクト→技術部門・営業技術。
横断スキル:NDT・溶接WPS/PQR・アライメント・塗装QC・安全法規・英語コミュニケーション・データ記録。
代替燃料レトロフィット:LNG/メタノール/アンモニア対応で防爆・換気・検知の再設計。
ロボ・ROV常用:水中検査・タンク点検の無人化で安全と品質を両立。
デジタルツイン×予知保全:運航データ→劣化予測→部材前出し→工程自動編成。
Uptime契約:修理を“時間売り”から稼働率保証へ。価値の中心が“止めないこと”に。
船舶修理業のニーズは、短時間・確実・安全・証跡・予防・環境。
その中でのやりがいは、船を再び動かす瞬間の高揚、世界の物流を守る誇り、段取りで難題を解く面白さにあります。
“船を止めない修理”を、今日の一手で。⚓🔥
皆さんこんにちは!
機創技研、更新担当の中西です!
~変遷~
蒸気からディーゼルへ、木造から鋼船へ。修理はリベット→溶接へと主役が交代し、
罫描・手計測・型板を頼りに**現合(げんごう)**で板継ぎ・骨替え
機関は直列・V型中速機を分解点検で延命
船底は手作業のケレン+塗り替え、ドック工程は“人手と段取り”が決定要因
職人の勘と経験が品質を左右する、クラフトマンシップ中心の時代でした。
世界的なコンテナ化が進み、運航の定時性と回転率が最重要に。
ドックはガントリー・大型クレーン・自走台車で重整備を効率化
溶接は自動・半自動、NDT(UT/RT/MT/PT)で品質を可視化
機関はメーカーのオーバーホール基準で標準整備化、補機はユニット交換が主流
**船級・港湾国管理(PSC)**が浸透し、書類・記録の整備が必須に
アジアのドック・修繕ヤードが台頭。コスト×リードタイムの競争が激化。
ライディングクルー(航海同乗修理)でオフハイア最小化
CMMS(保全管理)で時間基準保全→状態基準保全への布石
塗装は高機能防汚塗料の普及でドック間隔が長期化、工程は“環境条件”管理へ
環境・安全規制が修理の主戦場を変える。
**BWMS(バラスト水処理装置)**の搭載、配管・電装・制御まで一体工事
**SOx規制(硫黄分上限)**対応でスクラバー改造や燃料切替
CO₂・NOₓ基準強化に伴うプロペラ・バルブ最適化、低摩擦塗料など省エネ改造
ドローン・内視鏡で閉所・高所の点検省力化、安全と品質の両立が進む
センサー・通信の発達で“壊れる前に手を打つ”が現実に。
機関・軸受・発電機の振動・油劣化・温度を常時モニターし予兆検知
3Dスキャン・CAD/BIMで事前製作→現地一発合わせ、停泊時間を短縮
デジタル証跡(作業ログ・写真・レポート)で船級・荷主への説明責任を高速化
ロボ・ROVによる水中検査・船底清掃の常用化でドック外保全を拡充
〜1970s:職人技・現合/リベット→溶接
1980–90s:機械化・NDT・標準整備/コンテナ化で回転率重視
2000s:グローバル調達とライディング修理/CMMSの導入
2010s:環境規制レトロフィット(BWMS・SOx等)
2020s–:DX・予知保全・水中ロボ/ドック最適化と証跡デジタル
ドック集中→分散保全:寄港地での短時間メンテと航海中ライディングの組合せへ
EPCM化:改造は“設計・調達・施工・船級対応”を束ねる総合受託が主流
サービスとしての稼働(Uptime as a Service):契約を“時間”から“稼働率・燃費改善”に移す動き
事前3Dスキャン→工場先行製作
実船合わせを減らし、停泊中に一発取り付け。
予兆KPIの見える化
振動・温度・油分析のしきい値とアラート動線を船陸で共通化。
工程のモジュール化
BWMS・スクラバーは架台・配管ラック・ケーブルハーネスをユニット化。
安全×品質のデジタル証跡
WPS/PQR・溶接履歴、NDT結果、気象・塗装環境を写真+時刻同調で残す。
港湾調整テンプレ
入出港、タグ・クレーン・廃棄物処理、危険作業届のチェックリスト化で待ち時間を削減。
オフハイア時間(h/年)/ドック滞在日数
再工事率・同一不具合の再発率
安全指標:TRIR、ヒヤリハット報告率(高いほど学習文化)
工程遵守率:クリティカルパスの遅延回数
予兆アラート→故障回避率/未然防止件数
燃費・排ガス改善量(改造後の実績)
証跡整合率(船級・荷主査察での指摘件数)
脱炭素改造の本格化:EEXI/CII対応、プロペラ・エナジーセーバー・メタノール/LNG対応など。
燃料転換×安全設計:低引火点燃料(LNG/メタノール/アンモニア)に合わせた防爆・換気・検知の再設計。
グリッド化したメンテ:寄港地ネットワークでデータ連携→部材前出し→短時間施工。
ロボティクス常用:自律ケレン・水中清掃・タンク点検ドローンで人が危険域に入らない現場。
デジタルツイン:実運航データで劣化予測→部材手配→工程自動編成まで一気通貫。
“寄港3港前”シグナル:センサー異常・要部材を3寄港前に確定→前出し
塗装QCの3点セット:素地粗さ・塗布量・環境(温湿度/露点)を写真+計器値で保存
混合チーム朝礼:船員・ヤード・メーカーで5分RACI(誰が、何を、いつ)
ライディング標準BOX:工具・消耗品・安全具の定番セット化で積み忘れゼロ
ドック撤収リスト:バース解放のT-48/T-24/T-8hで撤収作業を段階化
船舶修理業は、
職人技の現合 → 機械化・標準化 → グローバル分業 → 規制レトロフィット → DX・予知保全
と進化してきました。
これからの競争力は、短時間で“確実に”直す技術に、データと安全と証跡を重ねられるかにかかっています。
“船を止めない修理”こそ、海運の血流を守る最高の価値。現場の一手一手が、世界の物流を走らせ続けます。⚓️