
皆さんこんにちは!
機創技研、更新担当の中西です!
今回は「船舶修理の現場環境」について一般的な市場での動向をご紹介します。
日本は四方を海に囲まれた海洋国家。漁船から大型貨物船、自衛艦、クルーズ船まで、多種多様な船舶が日本の物流・観光・防衛を支えています。そしてその“健康管理”を担っているのが、船舶修理のプロフェッショナルたちです。
しかしその現場は、過酷であり、同時に非常に繊細でもあります。今回はその裏側を、丁寧に見ていきましょう。
船舶修理とは、航行中や係船中にダメージを受けた船体や機器を安全・正常に機能するように回復させる作業です。主な作業内容は以下の通りです。
船体外板の補修・塗装(腐食・凹み)
エンジン・発電機・ポンプ類の整備・オーバーホール
プロペラや舵の交換
電装系統の点検・修理
船内居住区・空調・水回りの修理
これらは**ドック(船舶用の整備ヤード)**にて行われることが多く、1つの船舶に対して数十人単位の作業員が関わる大規模な工事になります。
船舶修理は、陸上工事や建築とはまったく異なる環境下で行われます。
常に海風が吹き、工具や機材が錆びやすい
体感温度が実際の気温よりも低く/高くなる
電装関係の故障率が高い
船底やエンジンルームなど、閉鎖空間での作業が多い
高所足場作業や狭い配管内での姿勢固定作業も頻繁
ダイバーによる水中点検・補修という専門職種も存在
金属に囲まれた構造で、熱のこもり方が異常
冬場は海風で作業効率が著しく低下
水や油で足元が滑りやすく、安全確保が難しい場面も
船舶修理には多くの危険が潜んでおり、特に以下の点に注意が必要です。
酸欠・ガス中毒(船内タンクやエンジンルーム)
高所作業時の墜落・転落事故
電気系統作業時の感電リスク
船体が微妙に揺れることによる感覚の狂い
そのため、酸素濃度測定器の携帯・作業前のKY活動・多能工チームでの対応が必須となっています。
船舶修理は1つの専門職だけで完結する作業ではありません。
鉄工職人(船体・配管)
電気技術者(配線・自動制御)
溶接士(各部補修)
塗装職人(防錆・美観処理)
ダイバー(潜水点検・水中修理)
これらの技術者が、1隻の船を支えるために密接に連携しています。高いチームワークと柔軟な連携が、現場を支えているのです。
船舶修理の環境は、厳しく危険も多いですが、その技術力はまさに「海の医者」。
私たちの生活を海から支えるために、日々奮闘する職人たちがいます。
次回は、そんな船舶修理業界が**これからどのように進化していくのか?**未来の可能性について展望してみましょう。
次回もお楽しみに!