オフィシャルブログ

月別アーカイブ: 2025年8月

機創技研の雑学講座~“止まらない船”~

皆さんこんにちは!

機創技研、更新担当の中西です!

 

~“止まらない船”~

修理のコストを最も下げる方法は、壊れる前に手を打つこと。本記事では、**予防保全(PM)/状態基盤保全(CBM)**の実践と、港内アフロート修理の上手な使い分けを解説します。


よくあるトラブルと“初期サイン”🧠

  • 主機の異常燃焼:黒煙増・排気温上昇・燃費悪化→噴射系・吸排気点検

  • 冷却系の能力低下:冷却水温のじわ上がり→海水ストレーナ・熱交換器汚れ

  • 振動・異音:軸受摩耗・芯ずれ・プロペラ損傷の兆候

  • 電装の断続不良:端子緩み・ケーブル劣化・湿気侵入

  • ハル汚損:航走抵抗増→燃費悪化・速度低下(防汚塗料と清掃計画が重要)


データで守る:CBMの実践ツール📊

  • 振動解析:ベアリング・ギアの劣化兆候を早期検知

  • 油分析:摩耗粉・水分・燃料希釈を測定→内部状態を“見える化”

  • サーモグラフィ:電装盤・配電・軸受の発熱監視

  • ログ一元化:回転・温度・圧力・燃費をダッシュボード表示

点検値は閾値とトレンドで判断。数値の“変化速度”を追うのがコツです。


アフロート修理とドック修理の使い分け🧭

  • アフロート修理(停泊中):ポンプ・弁・配管・電装、軽微な溶接、プロペラ軽研磨など。停船短縮が狙い。

  • ドック修理:船底塗装・舵・舵軸・スタンチューブ・大規模溶接・船体更新など。検査・大型工事は入渠が前提。

  • 判断基準:安全性・防火・環境・作業スペース・法令/船級要件


見積りの“読み方”とコスト最適化💴

  • 構成は工数×レート+資材+外注(検査・加工)+諸経費

  • 工程の並列化夜間活用で実費を抑制

  • 部品の標準化・共通化で在庫・調達の不確実性を低減

  • 再利用可否安全・寿命・コストの三点で評価


省エネ×信頼性UPのメンテ戦略🌿⚙️

  • プロペラ研磨/トリム最適化で燃費改善

  • 軸受・シールの予防交換で海水混入リスクを低減

  • **陰極防食(アノード)**の適正配置・交換周期の見直し

  • 防汚塗料の選定:運航パターン(停泊多い/高速航行多い)で最適化


緊急時の即応プロトコル(港・沖での安心)🚨

  1. 一次切り分け(油圧・電源・冷却・燃料)

  2. 遠隔支援(写真・動画・温度/振動の即時共有)

  3. 応急措置(バイパス・仮復旧)→安全確保が最優先

  4. 恒久対策(部品交換・加工)と再発防止の記録


書類と記録が“強い船”をつくる📚

  • 交換部品・トルク・クリアランス・塗膜厚・試運転ログ

  • 不具合の原因-対策-期限-責任を紐づけた再発防止表

  • 写真・動画で意思決定のスピードを上げる


船主さまとの二人三脚🤝

  • 運航計画の共有:繁忙期・潮汐・寄港地

  • 安全最優先の判断:“走れるが危ない”を避ける

  • 次回工事の提案:費用平準化と停船短縮の両立

結論:予防保全は“コスト削減策”であり“安全策”。私たちはデータと現場力で、止まらない船づくりをお手伝いします。ご相談はいつでもどうぞ🚢✨

 

 

お問い合わせはこちらから!

機創技研の雑学講座~“停船時間を最短に”~

皆さんこんにちは!

機創技研、更新担当の中西です!

 

~“停船時間を最短に”~

海で働く船は、止める時間がコストです。私たち船舶修理の仕事は、単なる修理ではなく、安全・品質・納期の三本柱で“稼働率”を守ること。本記事では、ドック整備の基礎から、停船時間を短くする実務のコツまでをまとめました。


ドック整備で扱う主な工事カテゴリ

  • 機関・推進:主機・補機、ギア、シャフト、スタンチューブ、プロペラ研磨・ピッチ点検

  • 船体:プレート更新、溶接補修、隔壁・フレーム補強、防食(亜鉛アノード交換)️

  • 塗装:船底防汚塗料、上部塗装、ブラスト/ウォータージェット下地処理

  • 電装・計装:配線更新、照明・航海計器、発電機負荷試験・メガー測定

  • 甲板機械:ウィンチ、クレーン、油圧系シール・ホース交換、作動テスト

  • 安全設備:救命・消火、CO₂系点検、バラスト水処理装置のメンテ


ドック工事の標準フロー(可視化でムダを削減)

  1. 事前点検・測定:振動・温度・排気・油圧などの計測→不具合の絞り込み

  2. 見積・工程設計部品リードタイム塗装硬化時間を軸に逆算 ⏱️

  3. 資材手配:ガスケット・ベアリング・シール・塗料・亜鉛・消耗品を先行確保

  4. 入渠・洗浄:ハルウォッシュ→船底・舵・プロペラの目視→必要部品の最終確定

  5. 解体・修理:トルク管理、芯出し、アライメント、**非破壊検査(PT/MT/UT)**を併用

  6. 組立・塗装:規定塗布量・膜厚管理、乾燥条件の記録

  7. 試運転・検査:係留・海上試運転、計測値の“Before/After”提示

  8. 引渡・報告:写真・計測ログ・交換部品リスト・次回推奨整備を提出


品質保証のツボ(トレーサビリティが命)

  • 作業基準書/手順書の適用と、要領書の現場落とし込み

  • トルク値・隙間ゲージ・芯出し値の記録化

  • **塗膜膜厚・環境条件(温湿度・露点)**のロギング

  • 部材はロット・材質証明で追跡可能に


安全と法令順守(現場を止めないための最優先)

  • 火気作業管理・換気・酸素濃度測定(タンク・閉所)

  • 高所・足場の転落防止、感電・挟まれ対策

  • 船級・検査スケジュールに沿った立会い調整

  • 産業廃棄物・油水分離の適正処理、環境配慮


停船時間を短縮する10の工夫⏳

  1. 見積前の簡易測定(振動・油分析)で部品を先行手配

  2. クリティカルパーツは予備品を常備(シール・ガスケット・センサー)

  3. 同時並行工程を設計(機関整備と塗装の干渉を最小化)

  4. ナイトシフトの活用(乾燥・冷却待ち時間を夜間に吸収)

  5. 外注・検査の立会い枠を前倒しで予約

  6. プロペラの船内研磨でドック外でも性能維持

  7. アフロート修理で入渠を回避できる軽微補修を仕分け

  8. **事前試運転(係留)**で不具合の洗い出し

  9. 写真・動画報告で所有者の意思決定時間を短縮

  10. 再発防止表(原因・対策・期限・責任)を次回工事にリンク


船主さま向け・ドック前チェックリスト✅

  • 航海予定と工期の上限

  • 部品・図面・過去記録(寸法・トルク)

  • 塗装仕様と乾燥条件の希望

  • 追加要望(省エネ、振動抑制、快適性)

  • 船内の断捨離・片付けで作業スペース確保

まとめ:停船時間の短縮は、事前準備とデータ化が鍵。私たちは品質×スピードで、海の現場を支えます。ご相談・お見積りはお気軽にどうぞ⚓️✨

 

 

お問い合わせはこちらから!

Translate