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機創技研の雑学講座~“止まらない船”~

皆さんこんにちは!

機創技研、更新担当の中西です!

 

~“止まらない船”~

修理のコストを最も下げる方法は、壊れる前に手を打つこと。本記事では、**予防保全(PM)/状態基盤保全(CBM)**の実践と、港内アフロート修理の上手な使い分けを解説します。


よくあるトラブルと“初期サイン”🧠

  • 主機の異常燃焼:黒煙増・排気温上昇・燃費悪化→噴射系・吸排気点検

  • 冷却系の能力低下:冷却水温のじわ上がり→海水ストレーナ・熱交換器汚れ

  • 振動・異音:軸受摩耗・芯ずれ・プロペラ損傷の兆候

  • 電装の断続不良:端子緩み・ケーブル劣化・湿気侵入

  • ハル汚損:航走抵抗増→燃費悪化・速度低下(防汚塗料と清掃計画が重要)


データで守る:CBMの実践ツール📊

  • 振動解析:ベアリング・ギアの劣化兆候を早期検知

  • 油分析:摩耗粉・水分・燃料希釈を測定→内部状態を“見える化”

  • サーモグラフィ:電装盤・配電・軸受の発熱監視

  • ログ一元化:回転・温度・圧力・燃費をダッシュボード表示

点検値は閾値とトレンドで判断。数値の“変化速度”を追うのがコツです。


アフロート修理とドック修理の使い分け🧭

  • アフロート修理(停泊中):ポンプ・弁・配管・電装、軽微な溶接、プロペラ軽研磨など。停船短縮が狙い。

  • ドック修理:船底塗装・舵・舵軸・スタンチューブ・大規模溶接・船体更新など。検査・大型工事は入渠が前提。

  • 判断基準:安全性・防火・環境・作業スペース・法令/船級要件


見積りの“読み方”とコスト最適化💴

  • 構成は工数×レート+資材+外注(検査・加工)+諸経費

  • 工程の並列化夜間活用で実費を抑制

  • 部品の標準化・共通化で在庫・調達の不確実性を低減

  • 再利用可否安全・寿命・コストの三点で評価


省エネ×信頼性UPのメンテ戦略🌿⚙️

  • プロペラ研磨/トリム最適化で燃費改善

  • 軸受・シールの予防交換で海水混入リスクを低減

  • **陰極防食(アノード)**の適正配置・交換周期の見直し

  • 防汚塗料の選定:運航パターン(停泊多い/高速航行多い)で最適化


緊急時の即応プロトコル(港・沖での安心)🚨

  1. 一次切り分け(油圧・電源・冷却・燃料)

  2. 遠隔支援(写真・動画・温度/振動の即時共有)

  3. 応急措置(バイパス・仮復旧)→安全確保が最優先

  4. 恒久対策(部品交換・加工)と再発防止の記録


書類と記録が“強い船”をつくる📚

  • 交換部品・トルク・クリアランス・塗膜厚・試運転ログ

  • 不具合の原因-対策-期限-責任を紐づけた再発防止表

  • 写真・動画で意思決定のスピードを上げる


船主さまとの二人三脚🤝

  • 運航計画の共有:繁忙期・潮汐・寄港地

  • 安全最優先の判断:“走れるが危ない”を避ける

  • 次回工事の提案:費用平準化と停船短縮の両立

結論:予防保全は“コスト削減策”であり“安全策”。私たちはデータと現場力で、止まらない船づくりをお手伝いします。ご相談はいつでもどうぞ🚢✨

 

 

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