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機創技研の雑学講座~“停船時間を最短に”~

皆さんこんにちは!

機創技研、更新担当の中西です!

 

~“停船時間を最短に”~

海で働く船は、止める時間がコストです。私たち船舶修理の仕事は、単なる修理ではなく、安全・品質・納期の三本柱で“稼働率”を守ること。本記事では、ドック整備の基礎から、停船時間を短くする実務のコツまでをまとめました。


ドック整備で扱う主な工事カテゴリ

  • 機関・推進:主機・補機、ギア、シャフト、スタンチューブ、プロペラ研磨・ピッチ点検

  • 船体:プレート更新、溶接補修、隔壁・フレーム補強、防食(亜鉛アノード交換)️

  • 塗装:船底防汚塗料、上部塗装、ブラスト/ウォータージェット下地処理

  • 電装・計装:配線更新、照明・航海計器、発電機負荷試験・メガー測定

  • 甲板機械:ウィンチ、クレーン、油圧系シール・ホース交換、作動テスト

  • 安全設備:救命・消火、CO₂系点検、バラスト水処理装置のメンテ


ドック工事の標準フロー(可視化でムダを削減)

  1. 事前点検・測定:振動・温度・排気・油圧などの計測→不具合の絞り込み

  2. 見積・工程設計部品リードタイム塗装硬化時間を軸に逆算 ⏱️

  3. 資材手配:ガスケット・ベアリング・シール・塗料・亜鉛・消耗品を先行確保

  4. 入渠・洗浄:ハルウォッシュ→船底・舵・プロペラの目視→必要部品の最終確定

  5. 解体・修理:トルク管理、芯出し、アライメント、**非破壊検査(PT/MT/UT)**を併用

  6. 組立・塗装:規定塗布量・膜厚管理、乾燥条件の記録

  7. 試運転・検査:係留・海上試運転、計測値の“Before/After”提示

  8. 引渡・報告:写真・計測ログ・交換部品リスト・次回推奨整備を提出


品質保証のツボ(トレーサビリティが命)

  • 作業基準書/手順書の適用と、要領書の現場落とし込み

  • トルク値・隙間ゲージ・芯出し値の記録化

  • **塗膜膜厚・環境条件(温湿度・露点)**のロギング

  • 部材はロット・材質証明で追跡可能に


安全と法令順守(現場を止めないための最優先)

  • 火気作業管理・換気・酸素濃度測定(タンク・閉所)

  • 高所・足場の転落防止、感電・挟まれ対策

  • 船級・検査スケジュールに沿った立会い調整

  • 産業廃棄物・油水分離の適正処理、環境配慮


停船時間を短縮する10の工夫⏳

  1. 見積前の簡易測定(振動・油分析)で部品を先行手配

  2. クリティカルパーツは予備品を常備(シール・ガスケット・センサー)

  3. 同時並行工程を設計(機関整備と塗装の干渉を最小化)

  4. ナイトシフトの活用(乾燥・冷却待ち時間を夜間に吸収)

  5. 外注・検査の立会い枠を前倒しで予約

  6. プロペラの船内研磨でドック外でも性能維持

  7. アフロート修理で入渠を回避できる軽微補修を仕分け

  8. **事前試運転(係留)**で不具合の洗い出し

  9. 写真・動画報告で所有者の意思決定時間を短縮

  10. 再発防止表(原因・対策・期限・責任)を次回工事にリンク


船主さま向け・ドック前チェックリスト✅

  • 航海予定と工期の上限

  • 部品・図面・過去記録(寸法・トルク)

  • 塗装仕様と乾燥条件の希望

  • 追加要望(省エネ、振動抑制、快適性)

  • 船内の断捨離・片付けで作業スペース確保

まとめ:停船時間の短縮は、事前準備とデータ化が鍵。私たちは品質×スピードで、海の現場を支えます。ご相談・お見積りはお気軽にどうぞ⚓️✨

 

 

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